君の名は。

 

 タイトルの下に書いてある、your name.がなかなかじわると噂の、新海誠監督最新作『君の名は。』を見てきました。

 

 ほんのりネタバレ含みます。

 

 ……いや、いいですね。よかったです。

 新海 誠監督、と聞いて、『秒速5センチメートル』が脳裏をマッハ3くらいのスピードでよぎるのは僕だけではないと思うのですが、今作には秒速5センチメートル的後味の悪さがありませんでした(秒速5センチメートル秒速5センチメートルで好きですし、むしろ人間の心の動きをきちんと捉えているのはあちらだと思うのですが)。なので、秒速5センチメートル神!ラブ!他はファ●ク!みたいな人にはお勧めできません。

 

 粗すぎる粗筋ですが、この映画は、糸守町の名家宮水家の長女三葉と、東京でバイトや淡い恋に追われる日々を過ごす少年瀧の、時間を超越した壮大な恋愛譚です。

 こうして文字にしてしまえば、非常に陳腐でありきたりなものになってしまいますが、一度は観てみるべきかと。RAD信者ではありませんが、RADWIMPSの楽曲も映画にマッチしていると思いましたし、何よりアニメ映画だからこそできたことが多かったように思えます。細やかな表現を濃縮できる「アニメ」という手法があってこそ、彗星の殺人的な美しさが実現されたのでしょうし、時間遡行の表現も然りです。

 ただ、三葉と瀧がお互いに惹かれ合うまでの過程はもう少し丁寧に描写してほしかったです……かね。あと瀧の家庭事情が描写されなかったのは、三葉の家庭の特異性を引き立てるためだったのでしょうか。

 また、今作において、結び、というフレーズがあらゆるものの象徴として用いられていました。時間、縁、記憶……三年の月日を超えて、三葉と瀧は「結び」つくのです。

 

  今まで戯言をつらつらと述べてきましたが、ここから戯言の戯言度合いが増します。ご容赦ご容赦〜〜〜

君の名は。』において、三葉と瀧は、時空を超えた魂と魂の接触をします。

 では果たして、魂は時空を超えられるのでしょうか? 物体は時空を超えられません。瞬間移動はヤードラット星人に教わるしかありませんし、時間を超えられるのは原田知世黒島結菜くらいのはずです。

 

 しかし、ある時人は時空を超えられます。それは「考える」時です。何かを考える時、私たちはいつか、何処かへと思いを馳せます。この時、私たちの意識は確かに、時間の一方通行に抗っているのです。

 では、「魂」と「意識」は同一の能力を持っているのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 知らねえよ!!!!!!!

 

 

そんなことを考えさせられる映画『君の名は。』(your name.)、ぜひ皆さんも金曜ロードショーを待つことなくご覧になってください。

 

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